私の失敗談シリーズ「ちょっとしたケチごころ」

ちょっとしたケチごころ

今日は「私の失敗談」を一席持ちたいと思います。
「ちょっとしたケチごころ」というお話です。

居酒屋で隣に座ったおっさんが
「わしゃ昔、こんなことしてなぁ
あんなことになって、そら~すごかったんやで~~」

などと自慢話を始めたら、らそそくさと逃げるのがよいですね

いつの時代も「成功話」や「自慢話」には救いがありません。
「共感できるポイントがない」というのかなぁ?

その点、失敗話には、次に失敗しないためのコツやノウハウがあったりして、ちょっとだけ共感できることもありそうな気がするのですが、いかがでしょう?

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この写真は先月末、屋久島で撮ってきた天の川の写真です。
私の屋久島写真の作品群に加えようと、何年も前から計画し、数年前から星空の研究を始め、何回も何回も鹿児島で実践の撮影練習を重ね、ようやく屋久島での本番撮影に成功した写真です。

それのどこが失敗談なの?

と、そうですね、ここまでは苦節何年の成功話です
逃げたほうがいいパターンのやつ

通常、こういう作品を作るときはカメラを「RAW」(ロウ)という設定にします。
詳しい説明は避けますが
『撮った時の情報が一番残っている「生の」状態の撮影データ』
と思っていただければ幸いです

このRAWデータを元に、パソコンで自分のイメージに近い写真に仕上げていくのです
これが一番自由度が高く、仕上がりが綺麗にできます。

デメリットとして
「データが大きすぎる」
というのがありまして、CFカードやSDカードの記録枚数も少なくなりますし、
パソコンにも相当負担をかけます
ひと月に2万回もシャッターを切るような仕事ですと、あっという間にハードディスクがパンクしてしまいます。

そこで、生データを圧縮して記録する「JPEG」(ジェーペグ)というモードがあるのですが
これだと容量も1/10くらいになりますので、すいぶん楽です。
デメリットとしては
「画像加工の自由度が下がる」
です。RAWモードの逆

JPEGモードには一番大きな「L」から一番小さな「S」まで、幾つかの段階があって、
一番綺麗な「L」サイズから~
ホームページくらいには使えるけど、プリントして作品にするにはちょっとねぇ~
という画質に一番問題のある「S」サイズ
というランク付けになっています。

・・・・・・・今回の失敗談はこれ・・・・・・

そうです。
一番大きな「RAW」モードで撮っているハズが、
「JPEG」、しかも、もっともやってはいけない「S」モード
でやってもーたわけです。

あんなにも練習したのに・・・
何回も何回も練習したのに・・・・
わたし、今年でプロ30周年を迎えます

そんなおっさんでもミスは起きます

屋久島なんか近いもんやから、何回でもチャレンジしたらいいんですけども
あんなに澄み切った空気で、雲ひとつないクリアな状態って
そうそうありません。
まさに一期一会のチャンスだったんです

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さて、おさらいです
プロ歴30年のおっさんのどこにミスがあったのでしょう?

自宅を出る前はもちろん「RAW」モードに設定してました

今回、写真を始めるという少女に写真の楽しさを伝えたいという企画がメインでしたので
直前に少女の泊まる民宿でカメラの設定や撮り方のレクチャーをしていました

「シャッタースピードって、こんな感じです」
と、一秒から1/2秒、1/4秒と、だんだん短くしていって1/500秒ってこんな感じです。
みたいなことをやったんですが、
その時です。
「あ、RAWで撮るのもったいないなぁ、Sモードに切り替えてやろう」
と、レクシャーの間だけ「Sモード」でやってたんですね

で、山に行きました→
星空出てます→
少女のカメラセッティングしてあげました→
試し撮りして感動してます→
夜道は真っ暗です→
道の脇で撮ってて、後続車があると危ないので発煙筒で知らせてます→
それでも危ないので、少女に反射板のタスキをかけました→
同行の息子に手伝ってもらって、撮影の間中、後方の離れたところで後続車の警戒をしてもらってます→
さて、ようやく自分のカメラ取り出しました→
セッティングします→
やっと撮影を始められました→
もちろん、少女の撮影のじゃまにならないように真っ暗な中でセッティングしてます

みたいな状況の中、Sモードにしていたことに気付きまして、RAWモードに切り替えました
まあ、このへんは30年の経験があるのでね、えっへん。

下山後、Facebookなんかに「おらおら、こんな綺麗な天の川獲ったどぉー」って、自慢げに投稿しまして(それが上の写真)意気揚々、鹿児島のスタジオに帰還したわけです。

で、先日、どれどれ、そろそろ作品作りでもしようかねぇ、と、パソコンを開いてみたところ
「??・・・・ ない?・・・・・ないない・・・・ないないない・・・・」
どこを探してもRAWデータが見当たらないんですよ・・・orz

一日中ボー然としながら考えた結果
「確かに撮影現場でRAWモードには変えた、これは間違いない」
でも
「そのあと『OK』で確定押したかなぁ?・・・・」

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はい、ここ大事、テストに出るからメモしといてください

最後のところで「OK」押さなかったんですね(たぶん)

普通なら撮影中にもう一回くらい確認するタイミングあったと思うんですけど
上記のような切羽詰まった状況だったので、怠ってしまったんですね

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この状況を生み出したのは
少女の宿でレクチャーするときに
「ちょっとしたケチ心」でSモードにしたことが原因です

デジカメなんだから、何回シャッターを押しても「無料」です
まだ1000枚撮れるほど容量は残っていたにもかかわらず
なのに、CFカードの容量が減るのが「もったいない」と思ってしまったんですね

宿でRAWに戻しておけばいいものを
「早く行きましょう、たくさん撮りましょう」

「ちょっとしたケチ心」で焦って出発してしまったんですね

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この意味のない「ちょっとしたケチ心」によって
私が何年もかけて準備してきた写真が「大失敗」に終わってしまいました

「屋久島なんか近いんだから何回でも行ったらいいじゃん」

と家人はやさしく慰めてくれました

でも、屋久島に行くのも結構な費用がかかります
行ったところで、今回のような「雲ひとつない、澄み切った空」になるとは限りません

「ちょっとしたケチ心」が招いた損害は、予想以上に大きい・・・・

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日々の暮らしの中にも「ちょっとしたケチ心」は潜んでいます

先日、ある方に
「空港の駐車場に停めるのがもったいないから、あなたの車で送って行って」
と頼まれました

私が空港往復したら、高速代とガソリン代であなたが数日停める駐車場代より高いがな
ということで、お断りしたのですが
こういうことって、よくある話よね?
もしかしたら、
この「ちょっとしたケチ心」は意外に大きな損害を私たちに与え続けているのかもしれませんね

今日も居酒屋おやじのグダグダ日記におつきあいくだしましてありがとうございます

「ありがとう」と言った後に「オリゴ糖」と付け加えたくなるのも「ちょっとしたケチ心」?


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